〜平家ゆかりの笛の音に舞い踊る布袋さま〜

 山車に乗った背丈が二メートル余りもある巨大な布袋(ほてい)人形が、笛や太鼓に合わせて舞い踊る、村田町の代表的な郷土芸能「布袋まつり」。800年の伝統を持つこのまつりは、布袋和尚の徳を慕って、京の山車まつりを参考にして生まれたものと言われており、毎年盛大に繰り広げられ、多くの見物客で賑わいをみせます。

 「布袋まつり」で特筆されるのは布袋囃子の笛の音で、奏でられる曲は「一ノ谷の合戦」において討死した平家の若武者・平敦盛(たいらのあつもり)が好んで吹いていた「青葉の笛」と呼ばれる曲です。西海に滅んだ平家一門のうち、東北に逃れた若武者たちの姿に心打たれた村人たちが、平家ゆかりの笛の音をまつりに取り入れて伝承してきました。

 江戸時代になると、囃子に太鼓も加わり、仮装して踊るようになりました。それが、亨保の頃(1700年代初期)に現在のような布袋人形に変わり、町内を練り歩くようになったのです。

 この、郷土色豊かな伝統芸能は村田町の秋を彩どる風物詩として町民の間で広く親しまれています。


平家ゆかりの青葉の笛
平家の若武者平敦盛は、一人の女性に恋をしたが合戦に向かうことになり、自分の形見にと恋人に青葉の笛を託した。
敦盛は敵の武将、熊谷次郎直実に討たれ、哀れ十六才の短い生涯を終えた。源平合戦に敗れた平家の落ち武者は遠く陸奥国村田郷に身を寄せ、京の文化をしのびながら敦盛の愛した笛の音をひたすら守り続けて現在に至っている。

♪Hotei Melody